【3月28日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)の参戦チームにエンジンを供給するルノー(Renault)は27日、かつて成功を収めたレッドブル(Red Bull)とのパートナー関係が急激に悪化する中、F1からの撤退を思案していると明かした。

 ルノーのマネジメントディレクターを務めるシリル・アビテブール(Cyril Abiteboul)氏は、甚大な影響を及ぼす可能性もあるチーム買収や撤退を含むいくつかの選択肢を検討していると語った。

 ルノーはF1でエンジンを供給する4つのサプライヤーの一つで、レッドブルはルノーがF1界を去れば、レッドブルもまた撤退せざるを得ないと通告している。

 マレーシアGP(Malaysian Grand Prix 2015)の会場を訪れた記者団に対しアビテブール氏は、「フォーミュラワンからの撤退を含め、いくつかのオプションを検討していることは事実。正直なところ、フォーミュラワンがルノーの評判を落としたり、現在の方式でわれわれが苦戦しているのが確認できたり、フォーミュラワンがルノーのコストに見合う価値をもたらさなかったりすれば、あり得る」とコメントした。

 レッドブルもまた、今季開幕戦のオーストラリアGP(Australian Grand Prix 2015)が落胆の結果に終わったことを受け、撤退を示唆している。

 いら立ちの募ったルノーとレッドブルは互いにののしり合い、伝えられるところによると、アビテブール氏がルノーについてコメントしたレッドブルの主任デザイナーを嘘つき呼ばわりしたという。

 しかしながら、アビテブール氏はこの発言は誤って伝わったものだと言い争いを否定している。

 一方でアビテブール氏は、チーム買収など、ルノーがさらにF1へ投資を行う判断を下す可能性についても言及し、F1界で「信頼に足る存在」であり続けたいと明かした。

 ルノーからエンジンの供給を受けるトロ・ロッソ(Toro Rosso)は、ルノーからオファーに前向きな姿勢を見せており、チーム代表のフランツ・トスト(Franz Tost)氏は「素晴らしい機会だ」とコメントしている。(c)AFP