アロンソ、クラッシュからの復帰へ「不安はゼロ」
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【3月27日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)第2戦のマレーシアGP(Malaysian Grand Prix 2015)を前に、マクラーレン・ホンダ(McLaren-Honda)のフェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)が記者会見に臨み、復帰へ向けて「不安はゼロ」であることを強調した。
2月22日のバルセロナ合同テストでクラッシュを起こしたアロンソは、脳振とうのセカンド・インパクトのリスクを避けるため、開幕戦のオーストラリアGP(Australian Grand Prix 2015)を欠場していた。
しかし今回は、現地で行われたメディカルチェックにも無事合格し、セパン・インターナショナル・サーキット(Sepang International Circuit)での走行が正式に決まっている。
この日、初めて事故の詳細を口にしたアロンソは、衝突前に失神していたという説を否定。また、事故の衝撃で記憶喪失にかかり、今が1995年だと思い込んでいたという報道も一蹴した。
一方でアロンソは、事故の原因は不可解なステアリングのロックだと話し、徹底的な調査を行ったものの、ロックの原因は解明されていないことを認めた。
またアロンソは、一部記憶が抜け落ちている時間帯はあるものの、それは治療に伴うものであって、「MP4-30」に対する不安はまったくないと強調している。マシンは現在、さらなるデータ収集のため、新たにセンサーを追加している。
アロンソは、「チームを完全に信頼している。チームはこの1か月、マシンのあらゆる部品をチェックしてきた…現時点で、うちのマシンは世界一安全だと思ってるよ」と話した。
「この1か月の僕は、史上誰よりも多く健康診断を受けたドライバーだったんじゃないかな。だから僕たちは大丈夫だ」
アロンソは、カタロニア・サーキット(Circuit de Barcelona-Catalunya)のターン3の内側で起こったクラッシュについても詳細を明かし、意識を失ったのは、事故後の治療の一環だと話した。
「病院へ向かうときの状態は良好だった。午後2時から6時くらいまでの間で記憶がない時間帯があるけど、それはヘリに乗るためや、病院で検査をするために必要な処置を受けたからで、何もおかしなことじゃない」
「普通だったよ。目を覚ましたのは1995年じゃなかったし、イタリア語をしゃべったりもしなかった。事故のことも覚えているし、次の日のことも全部覚えている」
■原因の特定には時間が必要か
一方でアロンソは、突風がクラッシュの原因だとするチームの主張は間違いであることを認め、「ハリケーンでも、あのスピードで走る車は動かせないよ」と話した。
それほど難しくはないコーナーで事故が起こった原因については、アロンソが意識を失っていた、電気ショックを受けていたなど、さまざまな憶測が飛び交った。
そうした憶測が広がった背景には、チームメートのジェンソン・バトン(Jenson Button)など、複数の識者が考えにくい事故だと話したことや、チームの説明が要領を得なかったことがある。
アロンソ本人は、記録されていたデータにはおかしな点は何一つなかったことを明かし、本当の原因が分かるには数年を要する可能性もあると話した。
「何か入手し損ねたデータがあるんだと確信している。10年くらい経って、十分な知識が蓄えられたら見つかるだろう…(レースに対して)心配はゼロだし、不安もゼロだ」
(c)AFP/Talek HARRIS