【4月8日 AFP】ペルシャ湾に展開する空母の中で1週間過ごす──正直にいうと、その計画が具体化するにつれて緊張していた。9階建ての金属の塊に1週間も閉じ込められて、延々と続く艦内の通路やはしごを上下に行ったり来たり、BGMはデッキから飛び立つ戦闘機ラファール(Rafale)の轟音だ。

 一緒に乗船する他のジャーナリストたち全員で共有して使う1本の電話と通信接続以外、世界とは遮断される。だが閉所恐怖症が何だというのだ。轟音で耳がおかしくなるかもしれないが、気になどしない。行ってやろうじゃないか。後悔はしないはずだ。

 バーレーンの首都マナマ(Manama)に着くと、フランス軍の空母シャルル・ド・ゴール (Charles de Gaulle)はすでにペルシャ湾北部へ向けて出港していた。そこで、週2回シャルル・ド・ゴールとの間を往復している米海軍の輸送機グレイハウンド(Greyhound)に乗り込んだ。

 空母への着陸なんて、それほど複雑でないはずだと思い込んでいたが間違いだった。すぐに防音ヘルメットにゴーグル、ライフジャケットを渡され、ほとんど聞き取れない中で、漠然と不安を抱かせる「万が一の場合」にはどう対処するかという説明を受けた。グレイハウンドの席は、コックピットに背を向けるように後ろ向きだった。

 離陸から1時間ほどでパイロットが機体を左に急旋回させ、乗員が「よぉぉぉぉい!」と叫んだ。突然、海面が触れるほど近づいてきたかと思うと、一瞬にしてシャルル・ド・ゴールのデッキに着陸した。まばたきをしている間に、グレイハウンドは甲板につながれていた。乗客たちはシートにくぎ付けになり、心底、震えていた。輸送機の翼は折りたたまれ(後で学んだことだが、空母上ではとにかく省スペースにこだわっていた)、エンジンは切られた。

 降り立った瞬間から、一刻もぼやぼやしている暇はなかった。デッキの上では戦闘機の離着陸が絶え間なく行われている。想像可能な中で最も危険な場所の一つだった。私たちはすぐに空母の内部に入る必要があった。

 歓迎のしるしとして「フランス海軍」と大きく書かれたブルーのつなぎ服を渡され、今すぐ着用するようにと強くいわれた。その理由は、第一に耐火性があるから。火事は船上で最も恐ろしい悪夢の一つだ。第二に、他のクルーたちと同じ規則に従うのが礼儀だからだ。また着てみると動きやすいし、場違いに目立つことがなくなるという利点もあった。