【3月21日 AFP】国連(UN)は21日、大型サイクロン「パム(Pam)」に直撃された太平洋の島国バヌアツで、国民人口の半数以上がサイクロンの被害を受けたと発表した。

 今月13日に襲来したサイクロンによる死者は16人に上っている。さらに多くの地域に救助隊が到達することで、今後も増える可能性がある。

 これまでに、バヌアツを構成する80以上の島のうち22島で、同国人口の半分以上にあたる約16万6000人が被害を受けたことが確認された。食料や飲料水の備蓄は枯渇しており、今後2~3週間ももたないと国連人道問題調整事務所(OCHA)は警告している。

 周縁の島々の住民の大半は自給自足で生活しているが、作物の被害も広範に及んでいる。OCHAによれば「なかでもココナツとバナナの農園の被害は壊滅的で、長期的な悪影響」が予想される。また家畜を失ったことも食糧安全保障を脅かしそうだ。

 一時避難所を必要としている住民は約6万5000人。全国で学校500校が被害を受け、生徒7万人に影響が及んでいる。燃料源も底をつき始め、電気はほとんど不通、発電機が不可欠となっている。(c)AFP