【3月19日 AFP】西アフリカのガーナ南東部、ボルタ川(Volta River)に浮かぶペディアトルコペ(Pediatorkope)島といえば、同国の中でも最も貧しい地方部だ。

 しかし、貝の養殖を生業(なりわい)とする人々が多いこの島は、国の送電網とは切り離されているにもかかわらず、電力の面では首都アクラ(Accra)や他の地域よりも恵まれている。それは、子どもたちが遊ぶエネルギーのおかげだ。

 ペディアトルコペ小学校には、特別な回転遊具がある。この遊具に乗って子どもたちが遊べば、タービンが回り、LEDランプに使う充電式バッテリーに蓄電される。子どもたちはそのLEDランプを家に持ち帰り、バッテリーが切れるとまた学校に持ってきて充電する。

 教員のガーソン・クアデグベクさんによれば、遊具による発電のアイデアは、米慈善団体「エンパワー・プレーグラウンド(Empower Playgrounds)」の発案だという。家庭に電気がつくようになり、子どもたちは家でも勉強できるようになった。

 ガーナはエネルギー不足に苦心している。エネルギー問題は経済活動を停滞させ、国全体の開発への影響も懸念されている。大半の家庭では、12時間は電気が通るが次の24時間は電気なし、という状況だ。

 ペディアトルコペ島では、回転遊具による発電の他に太陽光を使った事業も進められている。住民は、「充電ステーション」の屋上パネルで充電されるバッテリーを約150ドル(約1万8000円)で購入することができる。(c)AFP/Emmanuel VORGBE