ボコ・ハラムのISへの忠誠、当面の狙いは「プロパガンダ効果」
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■「カリフ制国家」の拡大も?
昨年7月に自らを「カリフ制国家」であると宣言したISは現在、「ウィラーヤト」と呼ばれる行政区画を25つ擁している。これらの所在地はシリア、イラク、リビア、イエメン、アルジェリア、サウジアラビア、エジプト、アフガニスタン、パキスタンにまで及ぶ。
現在のところ、ボコ・ハラムはIS下のウィラーヤトになる意向は示していない。もしそうすれれば、ボコ・ハラムの指導者たちの「弱腰の譲歩」として受け止められかねない。ノルウェー・オスロ大学(University of Oslo)のモルテン・ボアス(Morten Boas)教授は「ボコ・ハラムは既に自分たちの支配域でのカリフ制国家樹立を宣言しており、カリフ制国家は1つしか存在できない」と指摘する。
ボコ・ハラムは数年前、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)にも同様の忠誠を誓ったことがあったが、その後、実質的な動きはなかった。ボアス氏は「ボコ・ハラムはこれ(ISへの忠誠)を利用して、自分たちを実際よりも強く見せかけようとしている」と述べる。「彼らが得意とするやり方だ。人々に自分たちを恐れさせる。彼らが土地を掌握できたのは、ナイジェリア兵士らが恐れをなし、逃げ出したからだ。彼らのような勢力が利用できる中では最高の武器だ」
ただし長期的には、今回の忠誠の誓いは、双方の組織を強化するようなより強固なものにもなり得る。特にボコ・ハラムがリビアなどで活動するIS系組織との関係を築くことができた場合だ。
ボコ・ハラムはこれまで、武器密輸ネットワークの利用を介してリビアなどの北アフリカ地域の武装勢力との関わりを持ったことはあったが、協力関係を直接結んだことはなかった。だがボアス氏は、ボコ・ハラムによるISへの忠誠が「リビアでボコ・ハラムとISの何らかの協力の基盤を用意する可能性はある。そうなれば真に危険だ」と警告している。(c)AFP/Michel MOUTOT