試合は当初、これといって動きのないまま進んでいたが、前半32分に物議を醸す場面が訪れ、ビョルン・カイペルス(Bjorn Kuipers)主審がスポットライトを浴びることとなった。

 PSGがボールを失ったところから、イブラヒモビッチがボールを取り戻そうとスライディングで足を伸ばすと、これが勢い余ってオスカルの足首に入ってしまった。イブラヒモビッチはこのプレーで退場。しかし両選手は同じようにボールへ足を伸ばしており、イブラヒモビッチへのレッドカードは厳しすぎる判定に感じられた。

 当然納得のいかないPSGは、さらにティアゴ・モッタ(Thiago Motta)が異議を唱えてイエローカードを提示された。するとチェルシーはこの隙に先制点を狙い、ジエゴ・コスタ(Diego da Silva Costa)がペナルティーエリア内でエディンソン・カヴァーニ(Edinson Cavani)に明らかに足を引っかけられたように見えたが、PKは与えられなかった。

 張り詰めた試合は、終盤さらにエキサイト。まずはコスタがシウバへの危険なアフターチャージで警告を受けると、その後の衝突の中で、今度はコスタに頭突きを食らったと訴えたルイスがイエローカードをもらった。さらにそのすぐ後には、ヴェッラッティがアザールをつかんでこちらもイエローカード。準々決勝の第1戦は出場停止となった。

 その中でチェルシーは、ラミレス(Ramires Santos do Nascimento)のシュートがGKサルバトーレ・シリグ(Salvatore Sirigu)に防がれて迎えた後半36分、CKからついに均衡を破った。コスタのシュートは当たり損ねたものの、ちょうど目の前に落ちてきたボールをケイヒルが豪快にゴールへ蹴り込んだ。

 それでもPSGは、交代出場のエセキエル・ラベッシ(Ezequiel Lavezzi)がヘディングで相手GKを脅かすと、そのラベッシのCKから、ニアで合わせたルイスのヘディングシュートがクロスバーに当たってネットを揺らし、PSGが土壇場で試合を振り出しに戻した。

 そして迎えた延長戦では、まずはクル・ズマ(Kurt Zouma)との競り合いの中でシウバがハンドを犯し、チェルシーがPKを獲得すると、これをアザールがしっかり決めてチェルシーが延長戦の早い段階で先行した。

 このところ調子を取り戻しつつあったようにみえたシウバだったが、この場面では頭に血が上ったのか、手を頭よりも高く上げてしまった。映像を見る限り、手が実際にボールに触れているかは判然としなかったが、判定は覆らなかった。

 ルイスのFKやシウバのヘディングシュートで同点を目指すPSGは、これがクルトワの見事なセーブに阻まれたものの、迎えた延長後半9分にシウバが得点を決め、息もつかせない激しい試合に決着をつけるとともに、チームを新たな次元へ導く勝利をもたらした。(c)AFP/Tom WILLIAMS