【3月11日 AFP】オーストラリアの裁判所は11日、ギド・ヴァン・デル・ガルデ(Giedo van der Garde)が、ザウバー(Sauber)のドライバーとしてフォーミュラワン(F1、F1世界選手権)シーズン開幕戦のオーストラリアGP(Australian Grand Prix 2015)に出走することは、認められるべきだとする判決を下した。

 スイスに拠点を構えるザウバーは、すぐさま上訴する意向を示し、2日後のフリー走行開始を前に、チームはてんやわんやの状態になっている。

 ヴァン・デル・ガルデは、昨年の段階で2015シーズンのシートを確約されていたにもかかわらず、ザウバーがこの契約を破棄し、マーカス・エリクソン(Marcus Ericsson)とフェリペ・ナスル(Felipe Nasr)を起用したと主張している。

 ヴァン・デル・ガルデは当初、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に同事案を持ち込み、自身の主張が認められた。そして今回、ビクトリア州最高裁判所(Supreme Court of Victoria)のクライド・クロフト(Clyde Croft)裁判長が、同様の考え方はオーストラリアでも適用されるとする判断を下した。クロフト裁判長は、純粋に法の視点から本件を判断したとしている。

 昨年、ザウバーのテスト兼リザーブドライバーを務めていた29歳のヴァン・デル・ガルデは、開幕戦のオーストラリアGPでの出走が認められたことになる。

 ヴァン・デル・ガルデは、裁判所の外で待ち構えていた報道陣に対し、「とても調子が良いし、体もできあがっている。チームに戻って、週末のためにベストを尽くすのを楽しみにしているよ」と話した。

 ザウバー側の弁護士は、他のドライバーのために調整された、乗り慣れていないマシンをヴァン・デル・ガルデが使用することは「無謀」だと主張しており、こういった「危険」な行動は、ドライバーやスタッフを「容認できない」リスクにさらすことになるとした。

「ヴァン・デル・ガルデさんは『C34』を操縦したことがなく、練習するのに十分な時間もありません」

 ヴァン・デル・ガルデ側の弁護士は、2012年に発生した同様のケースを引き合いに出し、レースの3日前からマシンの調整を開始したことがあったと反論している。(c)AFP