【3月9日 AFP】(写真追加)次世代ソーラー飛行機「ソーラー・インパルス2(Solar Impulse 2)」が9日、太陽光をエネルギー源とする飛行機では初の世界一周飛行を開始した。

 この試みは、環境に優しいエネルギーの促進を目的としたもの。現地のAFP記者によると、スイス人のアンドレ・ボルシュベルク(Andre Borschberg)氏が操縦する同機は、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビ(Abu Dhabi)を同日午前7時12分(日本時間午後0時12分)に飛び立った。

 ボルシュベルク氏ともう一人のスイス人パイロット、ベルトラン・ピカール(Bertrand Piccard)氏は、「Si2」の通称で呼ばれる同機の研究開発と試験飛行に13年を費やした。

 1人乗りのSi2は、ジャンボジェット機よりやや大きい翼長を持ちながら、重さは家族向け乗用車程度しかない。

 アブダビを飛び立ったSi2は、最初の目的地である中東オマーンの首都マスカット(Muscat)に同日午後に到着する予定。その後、5か月をかけて12か所に立ち寄る。

 アラビア海(Arabian Sea)上空を横断してインドに向かい、ミャンマー、中国、米ハワイ(Hawaii)、そしてニューヨーク(New York)へ向かう計画だ。このほか気候条件によっては米中西部と、南欧か北アフリカにも寄港する予定だ。

 総飛行時間は25日間相当となる見通し。最長飛行区間は中国・南京(Nanjing)からハワイまでの太平洋(Pacific Ocean)上空8500キロを飛ぶルートで、この区間は5日間ノンストップで飛行する。(c)AFP/Wissam Keyrouz