ロバで逃走、コウモリ洞窟に潜伏 メキシコ麻薬王の逮捕劇
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■ウイスキーとケーブルテレビ
同州アルテアガ(Arteaga)の山中で生まれたゴメス容疑者は、山のことをよく知っていた。彼の麻薬組織は、覚醒剤の一種クリスタル・メス(メタンフェタミン)をメス・ラブと呼ばれるにわか造りの製作所で製造していたが、リーダーであった彼は地元でロビン・フッド(Robin Hood)的な存在となり、支配地域で現金を配ったり、動画共有サイトのユーチューブ(YouTube)で敵を非難したりしていた。
しかし、ゴメス容疑者の恐怖支配に疲弊した地元の農家が麻薬組織に対抗する自警団を結成し、容疑者捜索のため警察に協力した。ゴメス容疑者はかつて2度、逮捕されそうになったことがあった。そのうちの1回は、警察が潜伏先に駆けつけた時、容疑者と5人程度の側近が食べかけていたシーフード料理が残されていたという。
逃亡中ゴメス容疑者は、アギリヤ(Aguililla)山脈の簡素な小屋に泊まるような暮らしの中でも、時に高級ワインや18年もののウイスキー、ケーブルテレビなどのぜいたくを楽しんでいたという。
緑深い山々を縦横無尽に移動して隠れ家を転々としていたゴメス容疑者の足取りは、2014年初頭に1000人態勢で始められた警察の捜索を困難なものにした。ガリンド警察局長は、同容疑者の組織が重火器を使って攻撃する可能性が高かったため、ヘリコプターでの捜索は危険すぎたと話した。
山中への逃亡前、ゴメス容疑者は故郷に近い同州トゥンビスカティオ(Tumbiscatio)で家族とともに暮らしていた。そこは同容疑者が、「ヘフェ・デ・プラサ(地元ギャングのボス)としての生活を始めた場所だった。ガリンド警察局長によると、自警団から情報提供を受けた警察の捜索の手が迫ると、食料や水を持たずに逃げたという。