自由な性生活楽しむパリのナイトクラブ、有名人や熟年夫婦も
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会計士のナタリーさん(46)と配送業を営んでいるアントニオさん(47)は結婚して25年、3人の子どもがいる。乱交クラブに魅力を感じるのは「いつも通りのパターンを変えたい」と思ったからだという。ナタリーさんは、こうしたライフスタイルは今もタブー視されていて、世間では誤解が多いと感じている。アントニオさんは「ここでは皆、お互いを尊重する」と話し、ナタリーさんも「こちらがノーと言えば、ノーになる。何も起きない夜だってある」と語った。
付き合って3年のマキシムさん(24)とガールフレンドで理学療法士のオーレリアさん(23)は、店内で最年少カップルとなることが多い。オーレリアさんは女性同士で関係を持つこともあるという。他の人たちとの性的行為でお互い嫉妬しないように、愛撫以上のことはしないと一線を決めている。しかし、ここ6か月で2度ほど、それ以上の関係に進むほど相性が合った相手がいた。「ちょっとした狂気ね」とオーレリアさんは笑って話した。
■「決定権は女性側に」
ストロスカーン前IMF専務理事の売春あっせん事件をめぐる裁判では、パーティーに参加していた女性たちが売春婦であることを、ストロスカーン被告が本当に知らなかったのかどうかに焦点が当てられている。
セックス・セラピストのローリアン・シドジク(Lauriane Cydzik)さんは「性的自由主義では、パーティーに参加して性的関係を持つ女性に対して、金銭が支払われることはない」と説明する。「ケ・17」のオーナー、クルーザスさんによると、ある男性客から以前、女性から金銭の支払いを求められたとの苦情があり、その女性はすぐにクラブから追い出されたという。
同裁判では、元売春婦たちが、ストロスカーン被告にアナルセックスをさせられた際、金銭で雇われていたので断れなかったと証言した。こうした関係は、性的自由主義とはまったく違うとシドジクさんは述べ、性的自由主義では「女性に決定権がある。男性が女性に触れたくても、女性がその男性に魅力を感じなくて断ろうとすれば、ただ手を挙げるだけで男性は引き下がる」と話した。
夜が更けるにつれ、食事は下げられ、音楽のボリュームは上がり、クラブの雰囲気はいよいよエロティックさを増していく。アニマル柄のベッドカバーとクッションのあるベッドルームは、他の参加者がのぞけるようになっている。ポルノ映画を楽しめるミニシアターや、誰にも見られたくないカップルのためのプライベートルームもある。
教師のアルテミサさんと公務員でパートナーのシリルさんは、他の人々のベッドシーンをのぞいている。アルテミサさんは「私たちはあまり参加しないけれど、刺激的よ」と忍び笑いをした。(c)AFP/Fran BLANDY