前IMF専務理事の売春あっせん裁判、「買春の認識なかった」
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【2月11日 AFP】フランス北部リール(Lille)で開かれている国際通貨基金(IMF)のドミニク・ストロスカーン(Dominique Strauss-Kahn)前専務理事(65)の売春あっせん事件をめぐる裁判で10日、ストロスカーン被告本人が初めて証言台に立ち、乱交パーティーに来ていた女性らが売春婦だとは知らなかったと主張するとともに、当時「世界を救う」のに忙しかった男にとって買春のリスクは大きすぎたと主張した。
この日は元売春婦2人も出廷し、うち1人は乱交の様子を「修羅場」のようだったと述懐した。
かつては仏大統領候補と目されたこともあったストロスカーン被告は、当時自らが率いていたIMFが「前例のない規模の」経済危機から「世界を救おうとしていた」さなかに、乱交パーティーのような「狂乱的な」集まりを企画するはずがないと否定し、そのようなパーティーは2008~11年にかけて1年に4回の頻度で催されたにすぎないと証言した。
また同被告は、パリ(Paris)、ベルギー・ブリュッセル(Brussels)、米ワシントンD.C.(Washington D.C.)で開かれたこれらのパーティーに金銭で雇われた女性が参加していることを知っていたら、絶対に出席しなかったと訴えた。
この裁判では、パーティーに来ていたのが側近らが金銭を支払って呼んだ女性たちだったとストロスカーン被告が認識していたのかどうかに加え、そういったパーティーの企画にストロスカーン被告本人が関与していたのかという点が焦点になっている。ストロスカーン被告は後者についても否定している。
出廷した2人の元売春婦は、自分たちが売春行為を行っているとストロスカーン被告に話したことはなかったと認めている。また被告の親しい友人で事業家であり、一連の乱交パーティーの企画と資金提供をしたとされているファブリス・パスコフスキ(Fabrice Paszkowski)被告も、女性たちに金銭を支払ってパーティーに参加させたストロスカーン被告に話したことは一度もなかったとしている。
フランスでは売春そのものは合法だが、売春を唆す、他人に売春させて利益を得る、または売春行為を企画するなどの売春あっせんは犯罪とみなされる。(c)AFP/Fran BLANDY