【2月18日 AFP】デンマークの首都コペンハーゲン(Copenhagen)で先週末に発生し欧州に衝撃を与えた連続銃撃事件をめぐり、情報当局者が容疑者を過激化する恐れのある人物として事前に把握していた事実を認めたことから、治安当局の対応に問題がなかったのか疑いの目が向けられている。

 同国の国家警察情報局(PET)は、実行犯とされるパレスチナ系デンマーク人のオマル・フセイン(Omar El-Hussein)容疑者(22)について、同容疑者が別の暴力行為で有罪判決を受けて服役していた際に、「過激化の恐れがある」として昨年9月に刑務当局から報告を受けていたことを明らかにした。一方でPETは、「すでに死亡した22歳のこの実行犯が、当時襲撃を計画していると信じるに足る根拠」がなかったと釈明した。

 これを受けて、文化センターとシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝堂)への襲撃で2人が死亡し、通常は平穏なデンマークを震撼(しんかん)させた事件の発生を未然に防ぐために治安当局が十分な措置を講じていたのかどうか、疑問視する声が強まっている。

 1か月余り前にフランス・パリ(Paris)で過激派による襲撃事件が発生しユダヤ人4人が犠牲になったばかりで、欧州には反ユダヤ主義の暴力行為が再び増加するのではないかという不安が広がっている。

 事件発生当時は、襲撃の現場となった文化センター付近で不審な手紙が見つかったことを受けて警戒態勢が一時的に強化され、コペンハーゲン市内で多数の警官が警戒に当たっていた。

 デンマークは、日刊紙ユランズ・ポステン(Jyllands-Posten)が2005年にイスラム教の預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)の風刺漫画を掲載してイスラム社会から激しい反発を受けて以来、イスラム過激派から攻撃対象とみなされてきた。

 文化センター襲撃の標的になったとみられるスウェーデンの漫画家ラーシュ・ビルクス(Lars Vilks)氏は、デンマーク警察がテロリストからの脅迫を軽視していたと非難している。

 事件後潜伏を余儀なくされているヴィルクス氏はAFPに対し、「実行犯は良い武器を持っていた。警察より性能の良いものだった…(パリの風刺週刊紙)シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)銃撃事件以来、事態は深刻化していたにもかかわらずデンマークはその教訓を生かさなかった」と語った。(c)AFP/Sören BILLING, Peter HARMSEN