映像の中で、カメラに向かってナイフを突き付けた軍服・覆面姿の男らの一人は、英語で「今日われわれは、ローマ(Rome)の南方、イスラム・リビアの地にいる。お前たちがウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)師の遺体を隠した海に、お前たちの血を混ぜることを、われわれはアラー(神)に誓う」と述べた。

 国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の創始者であるビンラディン容疑者は2011年5月2日、パキスタンで潜伏中に米特殊部隊の急襲を受け殺害された。遺体は海に投げ入れられたが、その場所は公表されていない。

 今回公開された映像では、殺害後の画面に「この汚れた血は、お前たちを待ち受けるものの一部にすぎない。カミラとその姉妹たちの復讐(ふくしゅう)だ」との文章が流れる。

 エジプト人女性のカミラ・シェハタ(Camilia Shehata)さんはコプト教司祭の妻で、2010年7月に家庭内不和の後5日間行方不明となった事件がコプト教徒とイスラム教徒の対立のきっかけとなった人物。カミラさんが行方不明になった際にコプト教徒らは抗議活動を展開したが、カミラさんが戻ると、今度はイスラム教徒が路上デモを行い、カミラさんが自分の意思でイスラム教に改宗しようとしてコプト教会に拘束されていたのだと主張していた。

 また2004年には別のエジプト人女性で同じくコプト教司祭の妻だったワファ・コンスタンティン(Wafa Constantine)さんが行方不明となる事件が起きていた。夫が離婚を拒否したことが原因とされ、一時修道院に隔離されたが、その際にはワファ・コンスタンティンさんの改宗をめぐる情報が伝えられた。(c)AFP