【8月29日 AFP】米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は28日、イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」が、シリアで拘束した少なくとも4人の欧米人に対し、拘束期間の早期の時点で水責めによる拷問を加えていたと報じた。これら欧米人の中には、今月殺害された米国人ジャーナリスト、ジェームズ・フォーリー(James Foley)氏も含まれていたとされる。

 同紙がイスラム国の手法に詳しい筋の情報として伝えたところによると、人質となったフォーリー氏ら欧米人は「数回」にわたって水責めに遭っていた。人質解放作戦に関与している情報筋もAFPの取材に対し、少なくとも1人の人質が水責めに遭ったのは確実だと語った。

 水責めは2001年の米同時多発テロ事件後に拘束されたテロリスト容疑者たちに対する尋問の最中に米中央情報局(CIA)が使用し、拷問的手法だとして各方面から糾弾された。

 ポスト紙が引用している情報源は、イスラム国に拘束されている人質の扱われ方について直接知っており、この人物によると、イスラム国はCIAが行った水責めのやり方を「正確に知っていた」という。また同氏が拘束されていた状況に詳しい別の情報筋も、同氏が水責めをはじめとする拷問を受けていたと話しているという。

 2012年11月に拉致されたフォーリー氏を含む人質たちが水責めが行われた時点で拘束されていたのは、「イスラム国」がカリフ(預言者ムハンマドの後継者)を指導者とするイスラム国家の樹立を宣言した地域の中心地であるシリア北部ラッカ(Raqa)県だったと同紙は報じている。

 フォーリー氏の処刑シーンを写したビデオに登場する黒い覆面の戦闘員は、同氏を殺害することはイラクのイスラム国に対する米軍の空爆への報復だと述べている。(c)AFP