【2月14日 AFP】超小型の望遠鏡を内蔵し、視力を上げると同時に、片目をウインクをすることで見ているものを拡大したり、縮小したりすることが可能なコンタクトレンズが開発中であることが分かった。米カリフォルニア(California)州サンノゼ(San Jose)で開催中の米国科学振興協会(American Association for the Advancement of ScienceAAAS)の年次総会で13日、スイスの研究者らが発表した。

 同日の総会では、視覚に障害がある世界中の2億8500万人余りを助けることになるかもしれない最新技術について協議が行われた。2013年に望遠コンタクトレンズの試作品を初めて発表したスイス連邦工科大学ローザンヌ校(Ecole Polytechnique Federale de LausanneEPFL)のエリック・トランブリー(Eric Tremblay)氏によると、このコンタクトレンズは「低視力や高齢者に多い加齢黄斑変性(AMD)の治療に多くの可能性を秘めたもの」だという。当初の発表以来、望遠コンタクトレンズは改良が続けられている。

 トランブリー氏によれば、「現時点ではまだ研究の段階だが、最終的にはAMDの患者にとっての現実的な選択肢になるだろうという希望を持っている」という。

 レンズは、利用者のまばたきではなく「ウインク」に対応するスマートグラスとセットになっており、これらを使用することで、通常の視界と物を拡大して見る視界の間を無理なく自然に行き来することができる。厚さ1.55ミリのコンタクトレンズには、薄い望遠鏡が埋め込まれている。

 研究者らが発表した声明によれば、「内蔵した小型の鏡が周囲の光を反射し、目に見えた物体が拡大される。低倍率の双眼鏡で物をみるようなものだ」という。(c)AFP/Jean-Louis SANTINI