【2月13日 AFP】米テレビドラマ『大草原の小さな家(Little House on the Prairie)』の原作者、ローラ・インガルス・ワイルダー(Laura Ingalls Wilder)の自伝『パイオニア・ガール(Pioneer Girl)』(開拓者の娘)が米国で昨年11月に出版され、ベストセラーとなっている。

 評判となっているのは、赤裸々に綴られた19世紀の米中西部(ミッドウェスト)開拓時代の生活の様子で、『大草原~』の原作小説『大きな森の小さな家(Little House in the Big Woods)』シリーズの牧歌的なイメージとは一線を画している。

 出版元の小出版社「サウス・ダコタ・ヒストリカル・ソサエティー・プレス(South Dakota Historical Society Press)」のナンシー・ティスタッド・コーパル(Nancy Tystad Koupal)社長は、AFPの取材に対し「編集されたり美化されたりする前の、ローラ・インガルスによる最初の草稿だ。私たちは原案を保存することに決めた。19世紀の開拓者たちの現実の話に近いからだ。いわば『小さな家』シリーズの舞台裏を読者に見せたい」と話した。

 ワイルダーが子ども時代を回想する本をまとめたのは、年齢が60代にさしかかった1930年代のことだった。『パイオニア・ガール』には、ワイルダー一家がカンサス(Kansas)、ミズーリ(Missouri)、ウィスコンシン(Wisconsin)、ミネソタ(Minnesota)、アイオワ(Iowa)といった米中西部一帯を渡り歩いて暮らした16年間が細かく描写されている。

 この原稿を基に1932~43年にかけて小説『大きな森の小さな家』シリーズが刊行された。また後にはドラマ化され、米国で1974年から9シーズンにわたって放送された。

 開拓時代の質素ながらも温かな暮らしぶりを描いた小説とは違い、自伝では生々しい現実が語られている。コーパル氏は「当時、生活は厳しいものだった。暴力沙汰はよくあることで、開拓者たちの生活の一部だった」と語った。またインガルス一家は貧しく、金も家も持っていなかった。一家は借家に住み、家賃を払うことができないため「夜逃げしなければならなかった」という。

 大量のウイスキーを飲み、タバコに火をつけて肺を火傷しそうになった男が登場したり、ローラが手当てをしていた病気の女性が、泥酔した夫から強姦(ごうかん)されそうになり、かばったりもしている。自伝で描かれた多くの要素は、暴力的過ぎるという判断で小説化する際には削除された。

 ワイルダーの自伝は、米公共ラジオ局NPRやメディアに取り上げられたのをきっかけに売上が急増し、アマゾンのベストセラー書籍ランキングにも入った。刊行以来、注文が殺到し、初版の1万5000部は数週間で完売。その後、さらに1万5000部、4万5000部と重版が続いている。(c)AFP/Jean-Michel POIRIER