【2月11日 AFP】ウクライナ東部での戦闘停止を目指して予定されているウクライナ、ロシア、ドイツ、フランスの4か国首脳会談を翌日に控えた10日、ウクライナ東部の政府軍司令部に対するロケット攻撃などが発生して戦闘が激化し、この日だけで少なくとも計37人が死亡した。

 10か月に及ぶ紛争を終わらせるため、外交官らが大詰めの交渉に奔走する中、親ロシア派武装勢力は鉄道の要衝デバルツェボ(Debaltseve)の包囲を試み、対する政府軍は戦略上重要な港湾都市マリウポリ(Mariupol)周辺で反撃を開始した。

 ウクライナのペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領は、同国東部の行政拠点となっているクラマトルスク(Kramatorsk)にある軍司令部が初めてロケット攻撃を受けたと発表した。同司令部は前線からはずっと後方にあり、親露派の拠点からも離れた場所だという。

 当局者によると、この攻撃でクラマトルスク周辺の住宅地にも被害が及び、住民ら15人が死亡、子ども5人を含む少なくとも63人が負傷したという。

 同日にはこれ以外にも、親露派が包囲したと主張しているデバルツェボなどで政府軍の兵士7人と市民8人が死亡したと、政府軍と親露派の双方が認めた。親露派はこの他、自陣営の戦闘員7人が死亡したと明らかにした。親露派が軍事上の損害を明らかにするのは珍しい。

 この戦闘の裏では、外交官らや欧州安保協力機構(Organization for Security and Cooperation in EuropeOSCE)の仲介者らが、和平合意締結に向けて双方の溝を埋めるためベラルーシの首都ミンスク(Minsk)で2時間の交渉を行った。

 交渉の席上、親露派は和解案を提出したが、親露派の指導者デニス・プシーリン(Denis Pushilin)氏は「停戦について話すには早すぎる」と述べた。

 ウクライナと露仏独の4か国は、11日に開かれる首脳会談で和平合意に調印したい考えだが、フランクワルター・シュタインマイヤー(Frank-Walter Steinmeier)独外相は全当事者に対し「妨害行為」を行わないよう警告を発した。

 シュタインマイヤー氏は「政治的な妨害行為、標的を絞った攻撃により、停戦に向けたあらゆる希望が打ち砕かれたこともあった」と指摘し、「だからこそ、戦闘のいかなる当事者にも、大きな暴力行為が起きてミンスクでの首脳会談の意義が疑問視されるような事態にならないようにしてほしいと願っている」と述べた。(c)AFP/Charles ONIANS and Oleksandr STASHEVSKY in Kramatorsk