【2月9日 AFP】第57回グラミー賞(Grammy Awards)の授賞式が8日、米ロサンゼルス(Los Angeles)のステープルズ・センター(Staples Center)で行われ、1年前にはほぼ無名だった英シンガー・ソングライター、サム・スミス(Sam Smith、22)が主要4部門のうち3部門を含む4冠を達成した。

 スミスは、米音楽界で最高の栄誉とされるグラミー賞主要4部門のうち「最優秀レコード賞」「最優秀楽曲賞」「最優秀新人賞」の3部門を制覇。加えて、昨年5月のデビューアルバム「イン・ザ・ロンリー・アワー(In the Lonely Hour)」が「最優秀ポップ・ボーカル・アルバム賞」に輝いた。

 つい最近まで英ロンドン(London)でバーテンダーをしていたスミスは、一夜限りの関係について歌ったバラード「ステイ・ウィズ・ミー そばにいてほしい(Stay With Me)」で一躍スターとなった。授賞式のステージに上ったスミスは、昨年出会った男性に恋に落ちたことが楽曲の着想を与えてくれたと語り、「失恋させてくれてありがとう。きみが4つもグラミー賞をくれたんだ」と述べて喝采を浴びた。

 スミスは同性愛者であることを公言しているが、「ゲイのアーティスト」として取り上げられたくはないとこれまでのインタビューなどで語っている。

 授賞式では、メアリー・J・ブライジ(Mary J. Blige)とのデュエットでこの曲を披露。「このレコードを作るまでは、自分の音楽を人に聞いてもらおうと、あらゆることをしていた。減量したり、ひどい音楽を作ってみたりね」「素のままの自分でいることにした途端、曲があちこちで流れ始めて、皆が聞いてくれるようになった。皆さん、僕が僕自身であることを受け入れてくれてありがとう」と述べた。

■「最優秀アルバム」はベック

 残る1つの主要部門、「最優秀アルバム賞」は米歌手ベック(Beck)の「モーニング・フェイズ(Morning Phase)」が受賞した。アコースティックギターに豊かなオーケストラサウンドを重ね、内省的な世界を表現した同アルバムは「最優秀ロック・アルバム賞」とのダブル受賞となった。

 ベックは、過去20年にわたって独創的で時にシニカルなスタイルを貫き、批評家ら「通」の間で高く評価されている。カルト的なファンも多い。ただ、通常グラミー賞で取り上げられる商業的成功を収めているとは必ずしもいえず、「最優秀アルバム賞」受賞には驚きの声も聞かれた。(c)AFP/Shaun TANDON