遺伝子組み換え蚊の放出計画に住民抗議、米フロリダ州
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■GM蚊への反対は理解不足から?
反対派は環境への影響を懸念し、コウモリや人など他の生物にも影響が及ぶのではないかと心配している。
オンライン署名では、オキシテックの説明以外にGM蚊の効果や安全性を示す第三者機関の研究がないことや、デング熱がフロリダ南部でここ数年流行しておらず現行の対策が十分機能していることなどを指摘する声が上がっている。
一方、米蚊駆除協会(American Mosquito Control Association)の技術顧問を務めるジョー・コンロン(Joe Conlon)氏はAFPの取材に、害虫を駆除する目的で不妊雄を自然界に放すことは新しい考えではないと指摘する。
フロリダでも、1950年代にラセンウジバエと呼ばれる寄生虫の雄が放射線によって不妊処理を施され放出された例があり、「驚くほど効果があった」とコンロン氏は語った。ただ、米蚊駆除協会はオキシテックのGM蚊計画については立場を明確にしていない。
放射線を照射する手法は、脆弱な蚊にはあまり効果がない。だが、遺伝子組み換え技術ならば、水辺や室内など人間の近くで交尾する蚊の繁殖の抑制に有効だ。蚊を絶滅させるまでには至らず、殺虫剤の代わりとなるものでもないが、化学物質の使用を減らせると期待する声もある。
オキシテックのGM蚊計画に反対する人々について、コンロン氏は米国民の一部に見られる理解の欠如によるものだと指摘した。「遺伝子組み換えの知識を映画『ジュラシック・パーク(Jurassic Park)』から得た米国民には受け入れにくいだろう。理解できないものを提供されたら、即座に恐怖を感じるものだ」 (c)AFP/Kerry SHERIDAN