イスラエル首相夫人、空き瓶を返して得た金を着服?風刺画も
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【1月31日 AFP】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は30日、サラ(Sara Netanyahu)夫人がスーパーマーケットに空き瓶を返却して少なくとも1000ドル(約12万円)余りに相当する公金を着服していたとの報道を「誤りだ」として一蹴、一連の報道を激しく非難した。
首相はフェイスブック(Facebook)に長い文章を投稿。「(右派の)与党リクード(Likud)を打倒し、左派を政権の座に就かせることを目的とした私と私の妻に対するいわれのない中傷」だと主張した。ネタニヤフ首相は今年3月17日の総選挙に向けて準備を進めている。
イスラエルでは今週、サラ夫人が、ネタニヤフ氏が2度目の首相在任中の2009~13年に、首相府の購入品から出る大量の空き瓶を集めてスーパーマーケットに持ち込んで返金を受け、これによって夫妻は少なくとも4000シェケル(約12万円)を着服していたと報じられた。
同国紙ハーレツ(Haaretz)の電子版は、夫妻が2013年に1000ドルを国庫に返納したと報道。このほかハーレツは、着服した金額は実際には、これより数千シェケル多いとするネタニヤフ家の元使用人の話や、検事局がすでにこの問題を把握しているなどの情報も伝えている。
さらにハーレツ紙の紙面には、空き瓶に囲まれてリビングルームに座り、イスラエル軍とレバノンのイスラム教シーア派(Shiite)原理主義組織ヒズボラ(Hezbollah)の交戦の模様を伝えるテレビ画面に映った攻撃ヘリコプターを見ながら電話口に「あんたにちょっとスーパーマーケットまで持って行ってほしいものがあるのよ!」と話している夫人の風刺画が掲載された。
一方、首相支持派の日刊フリーペーパー、イスラエル・ハヨム(Israel Hayom)は、「名誉毀損(きそん)に当たる」としてこれらの報道を厳しく批判している。
イスラエルで3月17日に行われる予定の総選挙では、リクードおよびその連立パートナーとなり得る右派諸政党が、ツィピ・リブニ(Tzipi Livni)前法相率いる中道政党ハトヌア(HaTnuah、運動)や中道左派の労働党などの中道左派連合と対決する構図になっている。(c)AFP