【9月30日 AFP】フィリピン当局は30日、裁判所命令を受け、イメルダ・マルコス(Imelda Marcos)元大統領夫人(85)が所持しているミケランジェロ(Michelangelo)やパブロ・ピカソ(Pablo Picasso)、ポール・ゴーギャン(Paul Gauguin)、ジョアン・ミロ(Joan Miro)など世界の巨匠画家らの作品コレクションの押収に動き出した。

 これらの芸術作品がフィリピン政府の資産であることを認めた裁判所の裁定を受け、警察や司法当局は今後、イメルダ夫人の住居や事務所を捜索する。イメルダ夫人は熱心な美術品収集家として知られている。

 フィリピンでは故フェルディナンド・マルコス(Ferdinand Marcos)元大統領の不正蓄財に関する追及が進められている。裁判所は29日、これらの芸術作品が国庫から着服された資金で購入されたものであることを認めた。マルコス一族の不正蓄財の回収を進める大統領行政規律委員会(Presidential Commission on Good Government)のニック・スアレス(Nick Suarez)報道官は「絵画の回収は今日にも開始する」とAFPに語った。

 作品の時価総額は不明だが、中にはピカソの「横たわる女VI(Femme Couchee VI)」やミケランジェロの「聖母子像(Madonna and Child)」、ゴーギャンの静物画など巨匠芸術家の有名作品が多数、含まれているという。

 イメルダ夫人の代理人を務めるロバート・シソン(Robert Sison)弁護士によれば、夫人は異議を申し立てる意向だという。(c)AFP