【1月28日 AFP】交流サイト最大手のフェイスブック(Facebook)と傘下の写真共有サービス「インスタグラム(Instagram)」が27日、一時的にアクセス不能となった。ユーザーらはパニック状態となり、ネット上ではハッカー攻撃が原因との噂や、10億人以上のフェイスブックユーザーがあたふたする様子をからかう投稿が広まった。

 フェイスブックはサービス復旧後に発表した声明で、システム障害は「第三者からの攻撃によるものではなく、弊社が設定システムに影響を及ぼす変更を行ったために発生した」と説明した。

 システム障害は欧米とアジアで発生し、グリニッジ標準時(GMT)の午前6時15分(日本時間午後3時15分)ごろから約1時間続いたとされる。ユーザーらの多くは代わりにマイクロブログのツイッター(Twitter)を利用し、「#facebookdown(フェイスブックがダウン)」「#SocialMeltdown2015(ソーシャル・メルトダウン2015)」などのハッシュタグを付け、不満や冗談をつづったコメントを投稿。これらのハッシュタグは、瞬く間にツイッターのトレンドに入った。

 両サービスの他、出会い系アプリの「ティンダー(Tinder)」、インスタント・メッセージ・アプリの「AIM」、企業向けチャットツールの「ヒップチャット(HipChat)」、そして交流サイトの「マイスペース(My Space)」もアクセス不能になったと報じられている。

 この障害については、ハッカー集団「リザード・スクワッド(Lizard Squad)」のツイッター・アカウントに「Facebook, Instagram, Tinder, AIM, Hipchat #offline #LizardSquad」の書き込みがあったことから、同集団によるサイバー攻撃が原因ではないかとの声が一部から上がった。

 リザード・スクワッドは昨年のクリスマス前後、マイクロソフト(Microsoft)とソニー(Sony)の家庭用ゲーム機のネットワークサービスを攻撃したと主張。さらに、今月26日に起きたマレーシア航空(Malaysia Airlines)のウェブサイトへの攻撃にも関与したことを表明し、イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」に言及した上で、同社のサーバーから盗み取ったデータを公開すると脅迫していた。

 しかしアナリストらは、同集団が今回のフェイスブックなどの機能停止に関与している可能性は低いと指摘。ITコンサルティング企業ソルコム(Solucom)のサイバーセキュリティー専門家、ジェローム・ビロワ(Gerome Billois)氏は、「売名のために自分たちが関与したとの虚偽の宣言をした」こともあり得ると述べている。(c)AFP/Sophie NICHOLSON