スペイン空軍基地でギリシャのF16戦闘機が墜落、10人死亡
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【1月27日 AFP】(一部更新)スペイン南東部にある北大西洋条約機構(NATO)のエリートパイロット訓練施設が入っている空軍基地で26日午後3時(日本時間同11時)すぎ、ギリシャ軍のF16戦闘機が離陸に失敗して墜落、このF16に乗っていたギリシャ人パイロット2人と地上にいたフランス軍の8人の計10人が死亡した。スペイン国防省が発表した。
同省が出した声明によると、首都マドリード(Madrid)から南東約250キロに位置し、アルバセテ(Albacete)に近い同基地から離陸しようとしたF16戦闘機が「出力を喪失」して駐機場に墜落し、別の5機に激突したという。5機の内訳はイタリアのAMX2機、フランスのアルファジェット(Alpha Jet)2機とミラージュ2000(Mirage 2000)1機。
テレビの取材映像には、サイレンの音が鳴り響く中、炎と黒煙が上がる事故現場の様子が映っていた。スペイン国防省は、鎮火するまで1時間かかったと明らかにした。
スペイン国防省によると、この事故ではさらにイタリア人11人と、フランス人10人が負傷した。負傷者のうち重度のやけどを負った5人は専門的な治療を受けるためマドリードの病院に搬送された。負傷者のうち3人は既に病院を出たが、安静にして経過観察を受けることになっている。
事故現場となった空軍基地の公式ウェブサイトによると同基地には2010年からNATOのパイロット訓練施設が設置されており、スペイン国防省によると10か国からパイロットを受け入れている。
墜落したF16は、NATOが航空作戦における複数の国の連携の改善を目指して1978年に組織した「タクティカル・リーダーシップ・プログラム(Tactical Leadership Programme)」の訓練を行っていた。このプログラムにはベルギー、英国、デンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、スペイン、米国が参加している。
事故当時、この空軍基地では英国、ドイツ、米国、スペインも訓練を行っていたが、これらの国の要員に負傷者はなかった。(c)AFP/Daniel SILVA