【9月26日 AFP】米空軍は19日、米フロリダ(Florida)州で、F16戦闘機を改造した無人標的機「QF16」の初の試験飛行を実施した。製造元の米航空宇宙大手ボーイング(Boeing)が23日、明らかにした。

 ボーイングによると、パイロット2人が地上から遠隔操縦した無人機は同州のティンダル空軍基地(Tyndall Air Force Base)を離陸し、55分間の試験飛行を問題なく終えた。試験飛行中に高度4万フィート(約1万2200メートル)に達し、速度はマッハ1を超えた。

 この機体も含めてF16戦闘機6機が空戦訓練用の標的機に改造されることになっている。米空軍の広報担当者は、あくまで米戦闘機パイロットの技量を世界最高水準に維持するプログラムの一環であり、この種の無人機を戦闘部隊に配備する計画はないと述べた。

 米国防総省は1997年以降、F4ファントム(Phantom)戦闘機80機以上を無人標的機に改造している。戦場におけるロボット技術の専門家、ピーター・シンガー(Peter Singer)氏は、戦闘機を無人機に改造したのは目新しいことではないが、今回の試験飛行はロボット技術が軍事分野で急速に広がっていることを改めて示すものだと指摘した。(c)AFP/Dan De Luce