【1月26日 AFP】第16回アジアカップ(2015 AFC Asian Cup)は26日、韓国対イラクの準決勝が行われる。満身創痍でベスト4に勝ち残ってきた韓国は、今回のイラク戦が、2大会前の対戦とは違った結末になることを祈っている。

 アジアでは強豪国として知られ、2002年のW杯日韓大会ではベスト4に入っている韓国は、興味深いことに、アジアカップのタイトルには1960年大会から縁がない。

 さらに韓国代表は、イラク戦に苦い思い出がある。2007年のアジアカップで、韓国はイラクと準決勝で対戦し、PK戦の末に敗戦。一方のイラクはそのまま決勝でもサウジアラビアを破り、アジアカップ優勝の快挙を成し遂げた。

 イラクのラディ・シェナイシル(Radhi Shenaishil)監督は、「韓国とわれわれとの間には、さまざまな歴史がある。イラクにとってうれしい結果も多い。われわれの方が1日休みが少ないが、残った4チームすべてにトロフィーを掲げるチャンスがある」と話した。

 韓国のウリ・シュティーリケ(Uli Stielike)監督にとっては、けが人続出のチームをどれだけ立て直せるかが課題となる。また、ウズベキスタンとの準々決勝で延長に2得点を挙げ、英雄となった孫興民(Heung Min Son、ソン・フンミン)には、その再現に期待がかかる。

 けが人は李菁龍(Chung-Yong Lee、イ・チョンヨン)と具滋哲(Ja-Cheol Koo、ク・ジャチョル)の2人で止まったが、孫は体調が戻り切っていない。そのためシュティーリケ監督は、チームドクターからの報告を日々チェックしつつ、もう一度チームを修繕しなければならないはずだ。

 一方で、準々決勝のイラク対イラン戦がぎりぎりの消耗戦になってほしいという監督の願いは、現実のものとなった。因縁のライバル同士の対決は、予想通り激しい試合となり、最後は3-3の点の取り合いで迎えたPK戦をイラクが7-6で制し、勝ち上がりを決めた。

 シュティーリケ監督は、「言い訳をするつもりはないが、われわれは中心選手2、3人を欠いている。うちの選手ほど、精神的な強さと献身性を見せているチームはほかにない。韓国で代表チームにかかる重圧は、並大抵のものではない。今も、決勝進出を求める重圧がこれまで以上に高まっている」と話した。

 この試合の勝者は31日の決勝に進み、オーストラリアかUAEの勝者と優勝をかけて戦う権利を手にする。しかし、両チームには肉体的、精神的なダメージが蓄積しており、さらに負ければ失うものも大きい。そのため26日の試合は、ともに慎重な戦いに終始する可能性もある。(c)AFP/Alastair HIMMER