【1月24日 AFP】西アフリカのシエラレオネ政府は23日、エボラ出血熱の新規患者が減少したことを受けて、感染拡大時に導入した国民の移動制限措置などを解除したと発表した。

 3000人以上の国民がエボラ出血熱で死亡したシエラレオネでは、感染拡大を抑制するため国民の約半数に移動制限を課していたほか、国内14行政区のうち6行政区と多数の首長区(伝統的な首長が支配する地域)を封鎖していた。

 同国のアーネスト・バイ・コロマ(Ernest Bai Koroma)大統領は22日、国民に向けた演説で、「経済活動をサポートするために移動制限は緩和され、地区や首長区の封鎖は解除される」と述べ、ここ数週間エボラ出血熱の新規患者が減少している事実を挙げて「勝利が見えてきた」と語った。

 しかし世界保健機関(World Health OrganizationWHO)は、新規患者は減少したもののエボラ出血熱をめぐる状況は依然として「極めて危険」だとして、今後数か月間のエボラ対策費の2億5000万ドル(約290億円)が早急に集まらなければ、今までに得られた成果はすぐに失われるだろうと警告した。(c)AFP