リベリアのエボラ流行、6月までに終息の可能性 米研究
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【1月14日 AFP】エボラ出血熱の流行が世界で最も深刻な国のひとつのリベリアでは、発病した患者85%の入院治療を続けることができれば、6月までに流行が終結する可能性があるとの研究論文が13日、米オンライン科学誌プロス・バイオロジー(PLoS Biology)に掲載された。
患者数はこの数週間で減少し始めており、エボラ出血熱の流行の急速な拡大に同国が苦慮する中で去年7月に閉鎖された学校も来月に再開が予定されている。
米国のジョージア大学(University of Georgia)とペンシルベニア州立大学(Pennsylvania State University)の共同研究チームによると、入院と予防的治療の状況が改善に向かう傾向が続けば、現在の深刻な状況に終わりが見えてくるかもしれないという。
研究チームが今回採用したモデルには、感染と治療の場所、病院収容能力の向上、安全な埋葬手順の導入などの要素が含まれている。
論文主執筆者、ジョージア大オダム生態学研究所(Odum School of Ecology)のジョン・ドレーク(John Drake)准教授は、85%の入院率を維持できれば、エボラの流行は今年6月までにほぼ封じ込められるはずと話す。
同准教授は「これは現実的な可能性で『当然の結果』などではない」と指摘する。そして「必要とされるのは、現在の警戒レベルを維持し、力の及ぶ限り努力し続けることだ」と付け加えた。
ドレーク准教授と研究チームが考案したモデルは、入院患者数、感染した医療従事者数、葬儀などで遺体に触れた参列者の感染発生率、エボラ抑制措置の相対効率などの変数を取り入れたものとなっている。
研究チームは、世界保健機関(World Health Organization、WHO)とリベリア保健省から提供された、2014年7月4日~9月2日までの期間のデータを使用した。
同国はこの期間中、入院病床数を約300追加した上、従来より安全性の高い埋葬手順の導入を開始した。研究チームは入院病床の追加を考慮し、昨年12月にモデルの改良を行っている。
その結果、「リベリア政府と国際グループによる対応が、大規模な流行の可能性を大幅に低減させた」ことが明らかになったと、研究チームは声明で述べている。
リベリアでは、エボラ出血熱の最近の流行で、感染による死者がこれまでに3496人に上っており、影響を受けた国の中で最多となっている。
WHOによると、2013年末に流行が始まって以降、エボラ感染によって死亡した人の数は8235人に上り、感染者数は2万人以上に及んでいるという。これらの大半は、リベリア、ギニア、シエラレオネの西アフリカ諸国に集中している。(c)AFP