【1月24日 AFP】少年を殺したのはハイエナだった。だが、それは年老いた4人の女性たちの仕業とされた。村人たちは山刀で女性たちに切りつけ、遺体に火を放った──野獣に呪文をかけたと糾弾して。

「(村人たちは)山刀で母を切った」と、スフィア・シャドラックさんは語る。シャドラックさんは、タンザニア北部ムワンザ(Mwanza)州にある小さな村で、村人たちに殺害された4人の女性のうちの1人の娘だ。「それから彼らは薪とマットレス、鉄板を持ち出し、魚や肉を焼くように母を燃やした」

 タンザニアでは、「魔女」だと糾弾されて殺害される人々が毎年数百人に上る。シャドラックさんの母親がそうだったように、多くの犠牲者は高齢で、弱く、のけ者にされた女性たちだ。一方で、財産を所有する女性たちも、財産目当ての親族たちに魔女だと糾弾されて殺害されることがある。

 黒魔術を使ったと責められて殺される人たちがいる一方で、逆に「呪術師」たちに殺害される人々もいる──大勢のアルビノ(先天性色素欠乏症)の人々が殺害され、切断された体の一部が呪文をかける際に使われている。

 国連(UN)による非難を受け、タンザニア政府は今月、アルビノの人々の殺害を抑止するための取り締まりを約束した。だが人権活動家らは、ただの口約束に終わる可能性も高いと懸念している。というのも、過去に政府が行ってきた対策はどれも、深く根付いた迷信に対してほとんど効果がなかったからだ。

「年を取るのが不安だ」と、50歳になったシャドラックさんは語る。母の墓に行くにはいつも、母が住んでいた、黒焦げのがれきになった家の前を通らなければならない。「私の母を殺した人々が、私のことをどう思っているのか、私は分からない」とシャドラックさんは述べた。「もしかしたら私も殺されるかもしれない」