【1月23日 AFP】複数の米国防総省当局者は22日、イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」に対する空爆で約6000人のイスラム国戦闘員が死亡したという見方を明らかにした。米中央情報局(CIA)は昨年、イスラム国の戦闘員の総数は約2万~3万1500人という推定を発表しており、その約20~30%が空爆で死亡したということになる。

 衛星テレビ局アルアラビーヤ(Al-Arabiya)が22日に放映したインタビューの中で米国のスチュアート・ジョーンズ(Stuart Jones)駐イラク大使がこの数字を初めて明らかにすると、複数の米国防総省当局者はこれをしぶしぶ認めたが、戦況の進展状況を示すために敵の死亡者数を毎日発表していたベトナム戦争時代の嫌な雰囲気を思い起こさせるこの数字を米軍は重視していないと強調した。

 チャック・ヘーゲル(Chuck Hagel)米国防長官は、6000人という死者数は確認できないとしながらも、米主導の空爆で死亡したイスラム国戦闘員は「数千人」だと述べた。ただしこの推定死亡者数を確認できる別の情報はなく、一連の空爆に巻き込まれて死亡した民間人の数も明らかになっていない。(c)AFP