■町中に散乱する遺体

 1月3日に起きたバガの町襲撃については、これまでの目撃証言から、大量の死者が出たにもかかわらず政府軍による反撃がまだ実施されていないとみられることが明らかになっているが、ワリさんによる新たな証言もこれを裏付けている。

「私が学校を去った時、たくさんの焼け落ちた家屋や、腐敗した遺体が町中に散乱しているのを見ました。遺体の腐敗臭があまりにもひどくて、ベールで鼻を覆わなくてはいけませんでした。町にはボコ・ハラム以外誰もいません。彼らは夜通しで町を巡回していて、夜は寝ることはありません」

「彼らは(バガにある多国籍軍の)軍事基地を自分たちの本拠地にしています。大きな邸宅は焼き打ちにせず、自分たちの住居に作りかえています。(バガから65キロ離れた)モングノ(Monguno)までの道のりで通り過ぎた村のほとんどは住民から見捨てられていて、長旅に耐えられない高齢の女性しか残っていませんでした」

(c)AFP/Aminu ABUBAKAR