■「理性を失った人も」

 学校では、女性らが寄宿舎や教室、さらには冷たい風の中、野外で寝泊まりさせられていたという。ボコ・ハラムの戦闘員らは市場や略奪した店から食料を運びこみ、女性たちに調理させていた。

 多くの女性が、家族の身の上を心配するあまり体調を崩し、食事を拒否するようになっているといい、「女性の多くが、具合が悪くて食べ物を口にできない状態にある。寒さで多くの人が死んでしまうでしょう」とワリさんは話した。

「理性を失った人たちもいて、私もその1人でした。嫌気がさした彼らは(今月14日)午後2時(日本時間午後10時)ごろ、私たちに町を去るように言いました」

「町を去ったのは100人ぐらいで、皆母親だった。若い女性が去ることは決して許されませんでした」

 ボコ・ハラムは2009年から6年に及び続く武装闘争のなかで、若い女性や少女の誘拐を繰り返している。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights WatchHRW)は昨年10月の発表で、ボコ・ハラムによってこれまでに500人以上の女性と少女が拉致されたとしているが、実際にはこれを遥かに上回る人々が拉致されているとの見方もある。

 最も世間の注目を集めたのは、同じボルノ州のチボク(Chibok)地区で昨年4月に少女219人が拉致された事件で、少女らは現在も解放されていない。これまでに脱出に成功した人々の証言によると、ボコ・ハラムは自分たちの拠点に乳幼児から最高齢で65歳までの女性をも拘束し、料理や掃除などの家事を強要している。