【1月17日 AFP】フランス・パリ(Paris)で今月起きた風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)本社襲撃事件後初の最新号で、表紙にイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画が掲載されたことに対し、イスラム教の金曜礼拝にあたった16日、世界各地で抗議デモが行われ、ニジェールとパキスタンでは衝突も発生した。

 アフリカ中部ニジェールの第2の都市ザンデール(Zinder)ではデモが暴徒化し、4人が死亡、45人が負傷した。デモの参加者は3か所のキリスト教の教会を襲撃した他、フランス文化センターにも放火した。医師によると死者は全員、銃で撃たれて亡くなった。

 パキスタン南部のカラチ(Karachi)では、フランス領事館前で警官隊とデモの参加者が衝突し、背中に銃弾が当たったフランス通信(Agence France-PresseAFP)のカメラマンを含む少なくとも3人が負傷した。

 アフリカ西部ではモーリタニアやセネガルの首都ダカール(Dakar)でフランス国旗が燃やされ、マリの首都バマコ(Bamako)ではイスラム教の神学者や主要組織の呼び掛けに応じ、数千人が路上へ繰り出し「私の預言者から手を離せ」「私はイスラム教徒。私は預言者を愛する」などとスローガンを叫んだ。

 中東諸国のカタールやバーレーンは、シャルリー・エブド紙最新号のムハンマドの風刺画は嫌悪をあおりうると警告を発した。ヨルダンの首都アンマン(Amman)では、中心部にあるフセイン・モスク(Al-Husseini Mosque)から厳戒態勢の中、約2500人がデモ行進を開始し「預言者への侮辱は国際テロだ」と書かれた横断幕などを広げた。

 アルジェリアの首都アルジェ(Algiers)では最大3000人がデモに参加し、機動隊との衝突もみられた。参加者たちは「われわれはムハンマド」とスローガンを叫んだが、一部にはシャルリー・エブド紙本社を銃撃した兄弟、シェリフ・クアシ(Cherif Kouachi)容疑者(32)とサイド・クアシ(Said Kouachi)容疑者(34)への支持を叫ぶ参加者もいた。(c)AFP