【1月16日 AFP】ガールフレンドにふられ、その女性と同姓同名の旅のパートナーをオンラインで募集したカナダ・トロント(Toronto)在住のジョーダン・アキサニ(Jordan Axani)さん(28)が、世界一周旅行を終えた。旅に同伴した女性とアキサニさんの冒険旅行をオンライン上で追っていた人の中には、2人の間に愛が芽生えることを期待していた者もいたようだが、実現はしなかった。

 アキサニさんはカナダのメディア数社に対し、2人はどちらかといえば「兄妹の絆」を築いたと語った。

 地元紙トロント・スター(Toronto Star)によると、アキサニさんは「とりあえず、一緒に過ごす旅は終わったと思っている」と述べ、「素晴らしい旅行だった」と付け加えた。

 アキサニさんは昨年11月、別れたガールフレンドのための航空券を無駄にしないために、交流サイト「レディット(Reddit)」で同姓同名のエリザベス・ギャラガー(Elizabeth Gallagher)さんという名を持つ女性を旅のパートナーとして募集した。選ばれた女性には無料の航空券を提供し、ミラノ(Milan)、プラハ(Prague)、パリ(Paris)、バンコク(Bangkok)、香港(Hong Kong)に立ち寄る1か月間の旅行を提案した。

 2人はパリでエッフェル塔(Eiffel Tower)にのぼり、ウィーン(Vienna)では大観覧車に乗り、そしてタイでは「風の強い、曲がりくねった、舗装されていない山の崖っぷち」で3時間のドライブを楽しんだ。

 またギャラガーさんは同地で前年、自身が英語を教えていた子どもたちの元も訪れた。

 2人は数度、別行動で観光したという。

 アキサニさんがレディットに投稿したところによると、後から航空券などのチケットの申込者氏名を変更するのは「ほとんど不可能」で、払い戻しや譲渡も不可、元彼女の氏名でしか使えなかったという。

 名乗り出た18人の中から選ばれたこのエリザベス・ギャラガーさんは、自分はあくまで旅の同伴者で、それ以上にはならないと断言していた。というのも彼女には「かなり真剣につきあっている恋人」がいるからだ。

 それでもなお、今回の旅行がラブ・ストーリーに発展しなかったことに落胆の色を隠せないメディアもある。

 トロント・スター紙は、「生涯の友」というフレーズを見出しに入れ、英紙ガーディアン(Guardian)は「旅行プランに『愛の芽生え』が加わることなく、世界一周旅行から戻った」と伝えた。

 とはいえ、まだロマンチック・コメディーへ変化する可能性はある。それというのもアキサニさんは現在、この出来事を映画化もしくはテレビシリーズ化するべく交渉中なのだという。(c)AFP