【1月15日 AFP】女性は1人の相手に落ち着くのを好む一方で、男性は数多くの人と付き合いたがる──この長年の通説に異論を唱える論文が14日、英国王立協会(Royal Society)のオンライン科学誌「ロイヤルソサエティー・オープンサイエンス(Royal Society Open Science)」で発表された。性生活に関する傾向は、実は需要供給の法則によって部分的に決定されており、男性の貞節さは身近にいる女性の数に大幅に左右されることが分かったという。

 米ユタ大学(University of Utah)の人類学者で論文の主執筆者のライアン・シャハト(Ryan Schacht)氏はAFPに対し、「身近にいる女性の数が少ない場合、男性は1人のパートナーとの信頼し合える長期的な関係を望むようになる」と話した。

 シャハト氏は「女性がなかなか見つからない場合の最善の策は、1人を見つけ、その人とずっと一緒にいることだ」と説明。男性同士の競争が激しいときに女性たちを追いかけ続ければ、男性は全てを失う危険があるとした上で、「男性が女性の期待に応えられない場合、女性には他の数多くの男性から代わりを選ぶことができる」と話した。

 調査はガイアナ南西部に住む先住民マクシ(Makushi)を対象に1年4か月かけて実施したもの。人口約1万3000人のマクシ人は狩猟のほか漁業、農業で生計を立てており、160~750人で構成される1つの集落には親戚一同が暮らしている。マクシ人の間では、婚前交渉は一夫一婦制である結婚の相手を探すための一般的な行動と捉えられている。また論文の著者らによると、マクシ人の男女関係は平等なものとされる。

 シャハト氏は妻と共に2010~2011年、数か月間かけてマクシ人と親交を深めた後、18~45歳の男女300人を対象に聞き取り調査を行った。対象とした男女は8つの異なる集落に住んでおり、それぞれの村の男女比率は、女性100人に対して男性90~140人とまちまちだった。

 シャハト氏らが調査対象の男女に投げかけた質問は以下の通り。

・過去1年で性的関係を持った人数は?
・今後1年で何人と性的関係を持つと思うか?
・カジュアルなセックスは好きか?
・愛のないセックスは許せたり、楽しめたりするか?