【1月13日 AFP】イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」への共感を公言する組織が12日、米中央軍(US Central CommandCENTCOM)の複数のソーシャルメディアのアカウントを乗っ取り、同軍はツイッター(Twitter)の公式アカウント上の投稿の削除を余儀なくされた。

 米中央軍にとって不名誉なプロパガンダ攻撃によって、同軍のロゴが覆面をした戦闘員の画像と「サイバーカリフェイト(CyberCaliphate)」、「アイ・ラブ・ユーISIS」(ISISはイスラム国の別称)という文言が入った白黒のバナーに差し替えられた。

 しかし米国防総省は今回のアカウント乗っ取りについて、インターネット上の「荒らし」程度の規模であり、軍の機密コンピューターネットワークへ侵入されたわけではないとして被害は大きくはなかったと強調。同省のスティーブン・ウォレン(Steven Warren)報道官は記者団に対し、「CENTCOMがハッキングを受けたのではない。ハッキング被害に遭ったのはツイッターだ」と述べた。

 同軍のツイッター投稿が凍結される前、「サイバーカリフェイト」を自称するハッカーらは乗っ取ったアカウントに、「われわれはすでにここにいる、あらゆる軍事基地のコンピューターに」と書き込んでいた。また別の投稿には、「米兵よ、われわれは近付いている。用心しろ」と記されていた。

 米フロリダ(Florida)州タンパ(Tampa)に本部を置く中央軍は、イラクとシリアのイスラム国に対する米軍主導の空爆や、中東や「アフリカの角(Horn of Africa)」と呼ばれる地域での作戦展開を監督している。

 同軍のソーシャルメディアアカウントが乗っ取られたのはくしくも、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領がサイバーセキュリティーに関する演説を行っていたさなかだった。ホワイトハウス(White House)は、機密情報が漏えいしたことを示す兆候はないとしている。(c)AFP/Dan De Luce