帝王切開による出産「大流行」のブラジル、政府が歯止めの取り組み
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■自然分娩の痛み回避と「俗信」
妊娠初期のアンケートでは、ブラジルの女性の約10人に7人が自然分娩を選ぶと答えている。
だが臨月に達する頃までには、最終的に経膣分娩を選ぶ女性の数はこれよりもはるかに少なくなる。
ブラジル婦人科協会(Brazilian Federation of Gynecological Associations)のベラ・フォンセカ(Vera Fonseca)会長によると、多くのブラジル人女性が帝王切開を選ぶ理由は、自然分娩の痛みを回避するためだけでなく、経膣分娩が以降の性生活に負の影響を及ぼすと信じられているためだという。
同会長は「ブラジルの女性は性生活への影響を懸念しており、出産で会陰部が変化することを恐れている。これは俗説でしかない」と現地紙フォリャ・ジ・サンパウロ(Folha de Sao Paulo)に説明した。
他方、公的医療制度の評判が悪いことも要因の一つとされている。
同国の妊産婦支援団体GAMAのコーディネーターを務めるアナ・クリスティーナ・デュアルテ(Ana Cristina Duarte)氏は「ブラジルの公的部門での助産は、処置が非常に乱暴で粗雑なため、女性らはそこでの出産を避けたがる。その理由からも彼女らは、営利目的の(民間)医療機関に頼ることになる」と指摘する。
さらに「ブラジルでは、帝王切開は手術の一種ではなく、出産方法の一つとみなされている。そのため、リスクに対する警戒心が欠落している」と付け加えた。(c)AFP/Rosa SULLEIRO