【1月9日 AFP】仏パリ(Paris)で襲撃された風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)は、宗教や支配者を絵で風刺するフランス革命時代にさかのぼる伝統を守る数少ない出版社の一つだ。

 メディアにおける風刺画の歴史に詳しいギヨーム・ドイジー(Guillaume Doizy)氏はAFPの取材に対し、「ここ(フランス)では、挑戦し、非難し、障壁を取り壊すために、絵を戦闘的に使う」と語った。

 非礼なスタイルで知られるシャルリー・エブドは、イスラム教の預言者ムハンマド(Mohammed)の風刺画に対する「復讐」を使命と主張する過激派に襲撃を受けた。

「(シャルリー・エブドは)政治を風刺するだけでなく、環境や経済、金融にいたるまで社会的な批評も含んでいる」と歴史家のクリスチャン・デルポルテ(Christian Delporte)氏は述べた。 

 ファンからは単に「シャルリー」と呼ばれる同紙と、調査的で同紙よりもいくぶん巧妙な内容の週刊紙「カナール・アンシェネ(Le Canard Enchaine)」は、痛烈な皮肉とブラック・ユーモアを融合させることで、19世紀に頂点を迎えた反教権の自由主義者たちの保護者となっていた。

「これらの週刊紙にタブーはなかった」とデルポルテ氏は述べた。だが、「シャルブ(Charb)」のペンネームで知られていたシャルリー・エブドの編集長で、7日の襲撃事件で犠牲となった12人のうちの1人、ステファヌ・シャルボニエ(Stephane Charbonnier)氏(47)は、かつて「カナール・アンシェネでは限度があるが、シャルリーでは何でも言えるし描ける」と語っていた。