【1月2日 AFP】イタリア沖で1日、難民450人を乗せ同国に向かっていた商船が、乗組員なしで動力を失って漂流している状態で見つかり、イタリア空軍が同船を制御するためにヘリコプターを派遣した。イタリア沖ではこの前日にも、数百人の難民を乗せて漂流していた船が見つかり、同国当局によって停止させられたばかり。

 伊空軍の声明によると、船は現在、ブーツ形をしたイタリア半島の「かかと」部分の先端に当たるレウカ岬(Capo di Leuca)の沖合65キロの海上を漂流している。同海域は悪天候に見舞われているため、船には空からしか乗り込むことができないという。同船は全長73メートルで、シエラレオネ船籍の「Ezadeen号」と特定された。 海洋交通情報サイトによると、同号はキプロスとフランス南部セート(Sete)の間を行き来しているはずだった。

 同号は動力を失う前には7ノット(時速約13キロ)で航行していたが、1日の日没直後、沖合約128キロの地点で沿岸警備隊の航空機によって発見された。 乗船していた人が無線を操作し、船員が船から逃げたと沿岸警備隊に伝えたという。

 イタリア沖ではここ最近、同国への入国を目指して北アフリカからの危険な船旅に臨む難民が記録的な数に達しており、同国当局は対応に追われている。12月31日には、シリア人を中心とする難民770人近くを乗せ、イタリア南東部沿岸に向かって自動操縦モードで進んでいたモルドバ船籍の貨物船「ブルースカイM(Blue Sky M)号」が、あと45分ほどで岩礁に激突するところで伊海軍によって停止させられた。同船は、トルコからギリシャ沖を通過した後、操縦していた密航業者によって放棄されていた。(c)AFP/Angus MACKINNON