【12月23日 AFP】独スポーツ通信社SIDは22日、兄弟でボクシングのヘビー級王者に輝いたビタリ・クリチコ(Vitali Klitschko)氏とウラディミール・クリチコ(Wladimir Klitschko)のトレーナーを務めていたフリッツ・シュドゥネク(Fritz Sdunek)氏が、心臓発作のため67歳で亡くなったと報じた。

 独メディアによると、元世界ライトヘビー級王者ダリウス・ミハエルゾウスキー(Dariusz Michalczewski、ポーランド)のトレーナーでもあったシュドゥネク氏は、スペイン領カナリア諸島(Canary Islands)で心臓発作に襲われ、搬送先の独ハンブルク(Hamburg)で死去したと伝えられている。

 元アマチュアボクサーだったシュドゥネク氏は、心臓疾患や皮膚がんとの闘病生活を送っていたため、最近ではトレーナーとしての仕事を減らしていた。

 ハンブルクに拠点を置いたシュドゥネク氏は、現在ウクライナ・キエフ(Kiev)の市長を務めているビタリ氏の輝かしい現役時代を16年間支え、弟のウラディミールのトレーナーも8年間務めた。

 ウラディミールのマネジャーを務めるベルント・ボンテ(Bernd Bonte)氏は、「ウラディミールとビタリは、家族から訃報を知らされた」とコメントした。

「2人は動揺し、深く悲しんでいる。彼はわれわれ全員の親友であり、とても頼りにしていた存在だ」

 WBC王者に2度輝き、WBOのタイトル保持者でもあったビタリは、母国ウクライナで政治活動に専念するため、現役を引退していた。

 一方、38歳のウラディミールはIBF、WBA、WBOの3団体でヘビー級王者となっており、来年はWBCのタイトルを獲得してボクシング史上初となる四団体統一王者になることを目指している。(c)AFP