【12月22日 AFP】北朝鮮が米映画製作大手ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(Sony Pictures Entertainment)に大規模なサイバー攻撃を仕掛けたとされる問題で、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は、21日放送の米CNNテレビのインタビューで、北朝鮮のテロ支援国家への再指定を検討していることを明らかにした。

 一方で、北朝鮮の行為は「戦争行為」ではなく「サイバー破壊行為」に当たるとの見解を示した。北朝鮮との間で高まる緊張を抑制する狙いがあるとみられるが、野党・共和党からは、北朝鮮に厳しい制裁を科すよう求める声が上がっている。ジョン・マケイン(John McCain)上院議員は「これは破壊行為を超える、新しい形の戦争だ」と述べ、断固とした対処が必要との見解を示した。

 米国は2008年、核計画をめぐる交渉の一環として北朝鮮のテロ支援国家指定を解除していた。現在はキューバ、イラン、スーダン、シリアが指定されているテロ支援国家に北朝鮮を再び指定する可能性はあるかとの質問に、「すでに導入されているプロセスを通じて検討する予定だ」と表明した上で、「テロ支援国家指定にはとても明確な基準がある。その日のニュースだけに基づいてそうした判断はしない」「何が行われたかを系統的に調べ、その事実に基づいて将来の決定をおこなう」と付け加えた。

 米政府は、北朝鮮政府がソニー・ピクチャーズの社内メールなどが流出したサイバー攻撃に関与し、同社製作の新作コメディー映画『ザ・インタビュー(The Interview)』を公開中止に追い込んだと非難している。オバマ大統領は19日、米政府が「相応の」対抗措置を取ると発表していた。

 一方の北朝鮮はサイバー攻撃への関与を否定。米国との共同調査を提案したが、米安全保障当局はこれを直ちに退けている。また北朝鮮は21日、米政府がサイバー攻撃をめぐり北朝鮮に制裁を科せば、米国のホワイトハウス(White House)などの標的への反撃も辞さないと威嚇した。(c)AFP