【12月17日 AFP】大韓航空(Korean Air)の会長の娘で前副社長の趙顕娥(チョ・ヒョナ、Cho Hyun-Ah)氏(40)が、自社の旅客機で受けた機内サービスに激怒して責任者を降機させた問題で、韓国検察当局は17日、同国の国土交通省の告発を受け、趙前副社長を事情聴取した。

 趙氏は、5日に米ニューヨーク(New York)から韓国ソウル(Seoul)に向けて飛び立とうとしていた機内で、頼んでいないマカダミアナッツを提供され、さらにそのナッツが袋のまま提供されたことに激怒し、滑走路へ移動中だった機体を搭乗ゲートまで引き換えさせて、機内サービス責任者のパク・チャンジン(Park Chang-Jin)氏を機から降ろした。

 韓国国土交通省は調査の結果、乗務員に対して叫び声を上げ、暴言を吐いたことが航空保安法違反にあたるとして検察当局に趙氏を告発。ソウル西部地検(Seoul Western Prosecutors' Office)に姿を見せた趙氏は、頭を低く下げ、長い髪で顔を覆ったまま、取り囲んだ記者団やカメラマンに「申し訳ない」と弱々しい声で述べた。

 韓国の聯合(Yonhap)ニュースによると、検察当局は、機内サービス責任者を旅客機から強制的に降ろしたかどうかや、機長に搭乗ゲートまで引き返すよう命じたかどうか、乗務員2人に対し暴行したかどうかなどを重点的に捜査する。機内サービス責任者のパク氏は、趙氏に操縦室の扉まで押され、サービスマニュアルで数回突かれたと主張している。

 また、趙氏がパク氏や別の客室乗務員に土下座をさせたとの報道もあるが、趙氏はこれを否定している。ただ、土下座強要を目撃したとの証言がファーストクラスの乗客から出ている。

 さらに検察当局は、大韓航空の重役らが趙氏をかばうため、客室乗務員たちに事情聴取でうその証言を行うよう強要したかどうかについても捜査する方針だ。(c)AFP