【12月15日 AFP】トルコ警察は14日、レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領と対立する米国在住のイスラム聖職者フェトフッラー・ギュレン(Fethullah Gulen)師の支持者らを対象とした強制捜査で、トルコ最大の発行部数を誇る日刊紙ザマン(Zaman)の編集長ら27人を逮捕した。

 エルドアン大統領とかつて協力関係にあったギュレン師は、亡命先の米国から「並列国家」を動かしていると非難されている。トルコ各地で行われた強制捜査での逮捕者は、ギュレン師と密接な関わりのあるザマン紙のエクレム・ドゥマンリ(Ekrem Dumanli)編集長など、少なくとも27人に上った。逮捕者にはまた、ギュレン師寄りのテレビ局とされる「サマンヨル(Samanyolu)」の幹部や、テレビ局のディレクター、プロデューサー、脚本家、複数の警察関係者なども含まれている。

 国営アナトリア(Anatolia)通信によると、計31人に対し逮捕状が出された。容疑には「国家主権の掌握を試みる集団の結成」のための「脅迫行為」や、「捏造」、「名誉毀損」が含まれているとされる。

 イスタンブール(Istanbul)にあるザマン紙本社前には、ドゥマンリ氏の逮捕を予期していた支持者とジャーナリスト約2000人が集まり、警察の進入を一旦は阻止したが、数時間後に戻った私服警官によりドゥマンリ氏は拘束された。現場に集まった群衆は、怒りの声を上げる人々の中を通って連行される同氏を英雄として称え、「報道の自由を黙らせることはできない」「トルコはあなたを誇りとする」などと叫んだ。

 トルコが加盟を目指している欧州連合(EU)は、「欧州の価値観に反する」としてトルコ警察による強制捜査を非難している。(c)AFP/Dilay GUNDOGAN