【12月10日 AFP】(一部更新、写真追加)パレスチナ自治政府高官が10日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)で抗議行動に参加していた際にイスラエル軍兵士から暴行を受けた後、死亡した。

 死亡したのはパレスチナ自治政府でイスラエルの入植問題の責任者を務めていたジアド・アブアイン(Ziad Abu Ein)氏(55)。現場のAFPカメラマンによると、ラマラ(Ramallah)近郊の村で抗議デモに参加中にイスラエル兵3人に体をつかまれ、胸を突かれた後、倒れ込んだ。イスラエルの軍医が応急処置を施したが、搬送先の病院で死亡が確認された。

 イスラエル軍は、この件についてパレスチナ側との合同調査を提案したと発表。一方、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長は「容認できない野蛮な行為だ」と非難し、自治政府幹部らによる緊急会合を招集した。パレスチナ自治政府とイスラエルとの間で長く保たれてきた保安体制における協力関係を、アッバス議長が停止するのではとの臆測が広がっている。(c)AFP