【11月20日 AFP】イスラエル当局は19日、イスラエル人2人が死亡したエルサレム(Jerusalem)のひき逃げ事件のパレスチナ人容疑者の自宅を破壊した。

 エルサレムでは前日の18日、肉切り包丁と銃で武装したパレスチナ人2人がシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)を襲撃し、ラビ(ユダヤ教指導者)4人と警官1人を殺害する事件が発生。ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は同日夜、「この虐殺事件の実行犯のパレスチナ人たちの自宅の破壊と、これまでの襲撃事件の実行犯の自宅取り壊しの加速を命じた」と発表していた。

 イスラエル軍はその数時間後、10月22日に起きたひき逃げ事件の容疑者の家族が住む東エルサレムの住宅を破壊。家族は破壊前に自宅を離れ、親類宅に身を寄せていた。

 イスラエルは、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)で処罰としての家屋取り壊しを長年にわたり行っていたが、抑止効果もなく暴力を助長させるとして2005年に停止していた。

 先月22日の事件では、パレスチナ人の男が通行人に車で突っ込み、若い女性と乳児が死亡。容疑者は逃走を図り、警官に射殺された。家屋破壊の再開は、イスラエル人の警官ら2人が死亡したパレスチナ人による2件目のひき逃げ事件を受け、11月6日に決定された。(c)AFP/John Davison