【12月8日 AFP】台風22号(アジア名:ハグピート、Hagupit)は6日から7日にかけフィリピン東部を直撃し、家屋倒壊などの被害が出た他、少なくとも2人が死亡した。度重なる天災によって近年多くの死者を出してきた同国では、今回の台風によって数百万人の窮状にさらに追い打ちがかけられている。

 台風22号は6日夜、太平洋(Pacific Ocean)側から接近しサマール島(Samar island)に上陸。上陸時の風速は58メートルで、7月に100人以上の死者を出した台風の風速を超えて今年フィリピンを直撃した中で最も強い台風となった。

 同島の主要都市カトバロガン(Catbalogan)のステファニー・ウイタン(Stephanie Uy-Tan)市長は「沿岸地域を中心に多くの家屋が、強風によって吹き飛ばされた」とAFPの電話取材に語った。現地では倒木や電線断絶の他、トタン屋根が吹き飛ばされ、洪水も発生しているという。

 昨年の台風30号(アジア名:ハイエン、Haiyan)で7350人の犠牲者が出たフィリピンでは、台風22号の接近に伴い、100万人規模の大規模な避難措置が取られた。国連(UN)は今回の避難措置を、平時で行われたものとしては史上最大級としている。

 国家災害対策庁の報道官は、AFPの取材に対し、「われわれはヨランダ(Yolanda、台風30号のフィリピン名)から教訓を学んだ。国民は避難措置にずっと協力的になった」と述べ、避難措置によって多くの命が失われるのを阻止できたとの見方を示した。

 台風22号は7日夜の時点でフィリピンを横断中で、当局は首都マニラ(Manila)での大洪水の可能性を含め、最悪の事態に備え警戒を続けている。(c)AFP/Imelda Magbutay