■あの有名マラソン選手も

 ドーピング違反により出場停止処分を受けている女子マラソンのリリア・ショブホワ(Liliya Shobukhova)も、2012年のロンドン五輪に出場するため、45万ユーロ(約6600万円)を支払ったとカメラの前で明かした。

 ショブホワは、RUSADAによって2009年から2011年までの血液データに異常が確認され、IAAFからドーピング違反が疑われていたものの、その段階で罰則を受けることはなかったという。

 これについてショブホワは、役人たちに目をつぶってもらうため、金銭を渡すようメルニコフコーチに指示されたとしている。

「お金を渡したら、すべて大丈夫だと言われました」と明かしたショブホワは、連盟のバラフニチェフ会長がすべて知っていたことを証明する手段はあると主張した。

 世界反ドーピング機関(WADA)のデビッド・ホウマン(David Howman)事務局長は、ドキュメンタリー番組で明らかになったことは「ショッキング」だとコメントした。

「われわれが今やらなければいけないのは、恐れることなく事実を確認すること。そして、勇気を出して告白した人々を守ることだ」

(c)AFP/Ryland JAMES