【12月4日 AFP】有名なロシア製アサルトライフル「AK-47(カラシニコフ自動小銃)」のメーカーが、ウクライナ情勢をめぐる欧米の対ロシア経済制裁の影響を回避しようと、経営多角化の一環としてファッション業界へ進出する。

 主に海外への輸出のために、軍事用の他、民間やスポーツ向けの銃器を製造するカラシニコフ・コンツェルン(Kalashnikov Concern)は2日、モスクワ(Moscow)で豪華なイベントを開催し、「K」の文字をあしらった赤と黒の新ロゴを披露し、招待客にAK-47の空の弾倉をプレゼントした。

 カラシニコフ社は、ウクライナ東部の紛争をめぐり欧米が今年行った対ロシア制裁で標的となった企業の一つ。制裁により、最大20万丁のAK-47の米国やカナダへの輸出が凍結され、米ハリウッド(Hollywood)俳優のスティーブン・セガール(Steven Seagal)さんを起用して米国とカナダで展開する予定だった広告キャンペーンも取りやめとなった。

 だが、カラシニコフ社のアレクセイ・クリボルチコ(Alexei Krivoruchko)最高経営責任者(CEO)がロシアの通信社に語ったところによると、同社は事業縮小を行うどころか、生産を倍増させ、衣服やアクセサリー分野に経営を多角化する計画だという。

 クリボルチコ氏は、ロシア国内での売り上げを増やし、生産能力を倍増させ、南米、アジア、アフリカへの輸出を拡大することで、2020年までに売上を4倍に増やす目標だと語った。

 1940年代に設計されたAKモデルは低価格とシンプルさ、高い信頼性で世界に広がり、全世界で7000万丁以上を売り上げた。(c)AFP