【12月3日 AFP】J・R・R・トールキン(J.R.R Tolkien)原作の映画「ホビット」シリーズを手掛けるピーター・ジャクソン(Peter Jackson)監督は2日、トールキン作品の新たな映画化は遺産管理者の許可なしには実現不可能だと述べた。

 大ヒット映画「ロード・オブ・ザ・リング(The Lord of the Rings)」シリーズに続く3部作「ホビット」シリーズの最終章『ホビット 決戦のゆくえ(The Hobbit: The Battle of the Five Armies)』のワールドプレミア翌日、ニュージーランド出身のジャクソン監督は「(遺産管理者である)トールキンエステート(Tolkien Estate)がトールキン教授の作品を所有している。『指輪物語』と『ホビットの冒険(The Hobbit)』の映画化権はトールキン教授により1960年代後半に売られた」と述べ、これ以外の著作の映画化はトールキンエステートの協力なしには実現しないと英ロンドン(London)での記者会見で語った。

 原作者の息子で遺作管理者のクリストファー・トールキン(Christopher Tolkien)氏は、2012年の仏紙ルモンド(Le Monde)のインタビューで、父親の作品の「商業化」に批判的だったことから、いかなる契約も不確実なものとなっている。このインタビューで同氏は、「商業主義が作品の美学と哲学的な要素を台無しにしてしまった」と語ったとされている。

 今後の活動についてジャクソン監督は、シリーズ最終章にシーンを追加する作業に入る予定だと語った。 延長版には、スタンダード版の144分に約30分の映像が追加されるという。(c)AFP