【12月1日 AFP】インドを拠点とする亡命チベット人による英語報道サイト「パユル(Phayul.com)」(「祖国」の意)によると、チベット人にチベット語の使用と団結を呼び掛けたとして、中国四川(Sichuan)省の裁判所は先月27日、チベット人歌手ケルサン・ヤーペル(Kelsang Yarphel)氏(39)に4年の実刑判決を下した。中国当局のチベット自治区における厳格な文化統制を改めて浮き彫りにする判決だ。

 11月30日付のパユルの報道によると、ヤーペル氏はチベット人にチベット語を学び話すよう奨励するコンサートに参加した後に拘束された。「当局は、同氏が政治的ニュアンスを持つ曲を歌ったとして非難している」という。ヤーペル氏の楽曲のアレンジを担当した人物にも2年の実刑判決が下された。

 27日の時点で、罪状は不明とされている。米当局が出資するラジオ・フリー・アジア(Radio Free AsiaRFA)は現地情報源の話として、ヤーペル氏は「チベット人のコンサートを催し、政治的テーマを含む曲を歌った罪で起訴された」と報じている。同ラジオによれば、同氏の曲には「チベット語を学ぼう」「団結しよう」といった題名のものが含まれている。問題視されたコンサートが開催されたのは2012年で、ヤーペル氏が拘束されたのは昨年。

 長髪がトレードマークのヤーペル氏は、ポップ音楽の影響を受けた楽曲と、チベットの伝統楽器による演奏を融合させた音楽で知られている。(c)AFP